ことばと聞こえと飲み込みのリハビリ 言語聴覚士の仕事内容とは!?
こんにちは! 言語聴覚士の喜志です。
今日は、私の職業である言語聴覚士 Speech Language Hearing Therapist(略してST)を知らない方向けに、STがどんな仕事なのかについてお話したいと思います。
【要点】
〇ことばと聞こえと飲み込みのリハビリが専門
〇ほとんど病院で働いているが、介護施設や教育施設でも働いている
〇国家資格なのでどこでも働けるが、負担の割に給料は今一つ
<ことばと聞こえと飲み込みのリハビリ>
皆さんが普段の生活で当たり前に行っていることって何でしょうか?
朝起きる、「おはよう」とあいさつする、朝ご飯を食べる、着替える、家族と雑談、今日の予定をメモする等々…
一つ一つは当たり前過ぎて大したことないようですが、実はこれらの”人間的な活動”は脳の高度な機能によって支えられています。
もし、脳が高度な機能を発揮できなくなるとどうなるでしょうか?
いつまでも目が覚めない、声がでない、食べ物を飲み込めない、相手の言っている事がわからない、字が書けない等々…
こういった、人が当たり前のように行っていることができなくなることがあります。それは生まれつきのものであったり、病気の後遺症であったり。
STはそういった人たちのリハビリを仕事にしています。”言語聴覚士”と名乗るぐらいですから、ことばと聞こえの障害への対処が主な業務です。
また、飲み込みのリハビリも専門的に行っています。最近よくTVで聞かれるようになった誤嚥性肺炎という病気。この原因となる”誤嚥”をいかに予防するかも、STの仕事の1つです。
ようするに、”人体の首から上の専門家”ということです!
<職場はほとんどが病院だが、今後はそうとも限らない>
最近の調査では、全体の半数以上のSTが病院で働いているらしいです。私自身も病院で働いています。昔からSTは病院にいるというのが伝統のようです。
最近では、高齢者福祉施設が充実してきており、そこで働くSTも増えつつあります。
ただ、これから先は今まで以上に社会情勢が急速に変化していきますので、STもずっと病院で患者を待つだけの働き方は続かないと思っています。患者様の自宅へ訪問するSTも増えました。学校などの教育機関で働くSTも今後登場するかもしれません。
私自身は、STは新しい働き方をどんどん模索する過渡期にあると思っています。
<国家資格!だけど給料はサラリーマンの方が…>
STは国家資格です。国家資格保持者で病院で働くというと、いかにも高給取りのイメージですが、実際はそんな甘いものじゃありません。
そもそも病院勤務で給料の高い資格は医師や看護師等の業務独占資格だけです。STは名称独占資格なので、STの資格がなければSTの仕事ができないわけではありません。そういう意味で、そもそも高い給料を設定して人材を確保するような業種ではありません。
STの初任給は職場にもよりますが、だいたい月給15~25万円ぐらいが相場のようです。少ないわけではありませんが、いわゆる贅沢な部類ではないでしょう。
STの仕事は専門性が高い上に技術職なので、常に知識をつけてスキルを磨かなければなりません。そのための研修はほとんどが高額案件なので、自腹を切ると結構生活に響きます。スキルアップに月に4、5万使っているSTもいます。
単身者なら生活に困るほどではありませんが、家庭をもつ人は夫婦共働きでないと、ちょっと厳しいかもしれません。ちなみに私も家庭持ちですが、夫婦共働きです。
単純にお金を稼ぎたい人や、アフター5を楽しみたいという人にとっては、むしろ普通のサラリーマンの方が魅力的に思えるかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか?
STはまだまだマイナーな仕事ですが、今後さらに活躍の場を広げていくと言われている職種です。
このブログでは、STとしての私の働き方や、STの訓練を受けたい人、STになりたい人に向けて役立つ情報を発信していきたいと思います。
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