人間にとって最も残酷な障害！？失語症の症状と治療方法とは？

こんにちは！

言語聴覚士（ST）の喜志です。

今回は、STがどんな仕事をしているかを紹介したいと思います。

あなたの周りに、

脳卒中を患った方はいますか？

もしくは、

あなた自身が、

脳卒中を患った事がありますか？

その頃から、

他人の話がよく聞き取れなかったり、

ことばがなかなか浮かんでこないようなことはありましたか？

もし心当たりがあるなら、

それは失語症かもしれません。

【この記事の要点】

〇最も残酷と言われれる失語症がどんな障害かについて解説。

〇失語症は後遺症が残る場合が多いが、訓練すれば改善する。

〇改善する可能性を上げるには、専門家の訓練を受ける事がオススメ。

<人間にとって最も残酷な障害の1つ”失語症”>

脳の損傷で

ことばの機能を失うことを

失語症と言います。

この障害の特徴は、

”聞く”

”話す”

”読む”

”書く”

といったことばの要素が、

全て障害されることです。

この障害は、

健康な人でも

疑似的に体験することができます。

普段の学校や職場の場面をイメージしてください。

いつもの通り、

仲のいいメンバーが集まっていて、

自分も話に加わろうとしますが、

何だかみんな、

変なことばで会話しています。

聞きなれない外国語のようです。

昨日までみんな日本語で普通に話していたのに…

集中して話を聞き取ろうとしますが、

全く理解できず、

それを伝えようとしても、

相手には全く通じません。

文字で書いてもらいましたが、

見たこともない文字で読めません。

書くこともできません。

コミュニケーションをとることができず、

自分だけが、

日常の世界から

取り残されたようです。

ここまで想像してみて、

少し恐いと感じた方もいるでしょう。

人間は他者との繋がりの中に生きているといいます。

その繋がりから、

ある日突然切り離される。

ことばを失うとは、

人間にとって、

最も残酷な障害と言われています。

<失語症は後遺症が残りやすいが、改善する>

一般的に、

失語症は後遺症が残りやすいと言われています。

脳のような神経細胞は、

皮膚や筋肉等の細胞と違って、

再生しません。

新しく神経ネットワークを繋ぎ直して

再構築する必要がありますが、

うまくには再構築するには時間がかかり、

場合によっては、

繋がらないままのこともあります。

この繋ぎ直す作業は自分でもできますが、

効率的な繋ぎ方をした方が、

より短い時間で、

正確に神経ネットワークを再構築できます。

ことばのリハビリとは、

壊れた神経ネットワークを効率的に繋ぎ直す作業です。

<神経ネットワークの壊れ方を調べる必要がある>

失語症の治療には、

まず、神経ネットワークが

どのように壊れたのか調べる必要があります。

新聞が読めなくなったから、

新聞を読む練習をする。

ものの名前が言えなくなったから、

名前を言う練習をする。

このような方法は全て対症療法であり、

無駄ではありませんが、

脳にとって効率的とは言えません。

失語症には複数のタイプがあり、

100人患者がおれば、

100通りの失語症タイプがある

とさえ言われています。

STは、

目に見えないことばの障害を

解析するために、

それぞれ理論を持っています。

例えば、

目の前のリンゴを見て、

「リンゴ」と言います。

この時、

頭の中ではどのような処理が行われたのか、

STならほぼ例外なく、

各自の理論で説明できます。

また、

脳のどの部分が

どれほど損傷したのか、

CT画像やMRI画像等で診ることも

重要です。

STは複数の方法を駆使して、

患者さんの失語症の正体を暴きます。

”何故ものの名前が言えないのか”がわかれば、

”どうすれば言えるようになるのか”という

仮説を立てる事ができるのです。

これが、

効率的な治療方法の立案に繋がります。

<まとめ>

いかがでしたでしょうか？

失語症の治療には時間がかかります。

自己流で行うよりも、

専門家の訓練を受けた方が効率的です。

もしお困りでしたら、

お近くのSTを頼ってみてください。

訓練を受けたからと言って、

必ず元通りに治る訳ではありませんが、

失語症の評価を受けるだけでも

メリットがあります。

STがどこにいるか分からなければ、

各都道府県にある

○○県言語聴覚士会に

問い合わせてみてください。

あなたが望むSTがいる施設を

紹介してもらえます。