多職種連携は弊害も⁉昨今のチームアプローチに物申す!
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
最近の医療業界では、
"多職種連携"
"チームアプローチ"
という文言が目立ちます。
医師がリーダーシップを発揮し、
患者を取り巻く複数の職種が、
相互補完しながら
連携し合う。
いわば、
医療職のチームプレーです。
一見、
良い事ばかりであるように思えますが、
実は弊害もあります。
"綺麗事"ではない、
現場の職員の率直な感想を
書いてみたいと思います。
〈病院では複数の職人が同時に働いている〉
病院にいくつの職種が存在するか
ご存知でしょうか?
医療行為を行える"医師"
患者の看護を行う"看護師"
薬を扱う"薬剤師"
これ以外に
補助行為を行う医療従事者として、
補助行為を行う医療従事者として、
"理学療法士"
"作業療法士"
"言語聴覚士"
"放射線技師"
"臨床検査技師"
"臨床工学技士"
"管理栄養士"
"社会福祉士"
"介護福祉士"
等など…
他にも多くの職種があります。
病院ではこれらの職種は、
医師を中心として
互いの専門領域を相互補完しながら
働いています。
この形は、
建設現場によく例えられます。
一軒の家を建てる為に、
大工を中心にして、
配管工
配電工
配水工
内装業
等など、
複数の職種が関わります。
病院の現場は
これとよく似ています。
〈専門職が多いと、サービスの質は上がるが、揉めやすい〉
これだけ職種が多い理由は、
サービスの質の向上にあると思われます。
各々の専門領域に分ける事で、
患者を取り巻く問題を
きめ細かく対応できます。
確かに、
全て医師が行うよりも、
得意分野の異なる
複数人で対処する方が、
より効率的に思えます。
しかし、
関わる人数が増えるという事は、
それだけ意思決定がし辛くなる
という事です。
それぞれの職種は
何かしらの"想い"を持って
仕事に臨みますが、
その"想い"が全員同じとは限りません。
例えば、
私のような言語聴覚士が、
「嚥下療法の質を高めたい」
と思っていても、
他の職種が同じように
動いてくれるわけではありません。
他職種から協力を得るためには、
私がそれ相応の協力体制を
敷いておかなければなりません。
要するに、
”根回し”
です。
事前に信頼関係を築いておかなければ、
自分以外の他職種は協力してくれません。
いくら患者中心と銘打っても、
個々人の本音は
「余計な仕事を増やしたくない」
ということです。
これを理解した上で、
”多職種連携”
”チームアプローチ”を
進めなければなりません。
そうでなければ、
揉めます。
本当に…
そうならない為に
医師というリーダーが存在するわけですが…
現実の現場はそう単純ではありません。
<まとめ>
いかがでしたでしょうか?
身内の恥を晒すようですが、
医療現場で働く者の正直な感想としては、
”多職種連携”や
”チームアプローチ”には
重要性を認識しながら、
面倒だと感じてしまいます。
この”根回し”には
かなりの時間と労力が必要だからです。
医療職に求められる能力は、
”根回し”である、
と言っても過言ではないと思います。
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