言語聴覚士の需要は今後も高い!?診療報酬から分析する将来性
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
最近、
外来に来られている学生の方から、
来年度から就職活動を行うとのことを告げられました。
その方は
言語聴覚士に興味を持って頂けたのですが、
「言語聴覚士の需要は少ない」
と、就職指導の職員から言われたそうです。
現場で働いて、
需要が先細りするような要素は見当たらないのですが、
これから言語聴覚士を目指そうか
考えている方にとっては大事な要素なので、
少し私見を書いてみたいと思います。
<診療報酬改定は国からの需要が反映される>
”診療報酬”という言葉をご存じでしょうか?
私達
医療者が行う医療行為は、
医療保険の適応か否か分かれます。
このうち
保険適応の医療行為は、
点数化されており、
1点が10円として換算され、
診療報酬として保険機関(ようするに国の予算)から
支払われます。
この診療報酬は2年毎に見直しされ、
その時々の厚生労働省の意向が強く反映されます。
昨今は
少子高齢社会により
とにかく
医療費削減、
社会保障費削減が
取りざたされているので、
数回連続してマイナス改定されています。
新聞では、
薬価や人件費など、
病院の収支に直結する部分のマイナス改定が
注目されていますね。
当然
リハビリに対する診療報酬も改定されています。
診療報酬が高くつく取り組みは、
病院側も収入が見込めるため、
積極的に実施される傾向があります。
<言語聴覚士に関わる診療報酬は軒並みプラス改定>
言語聴覚士が算定できる診療報酬として
代表的なものを挙げると、
・疾患別リハビリテーション料(脳血管疾患リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション等)
・摂食機能療法
・がんリハビリテーション料
・回復期リハビリテーション病棟入院料
・地域包括ケア病棟入院料
・神経心理学的検査料(簡便なもの、複雑なもの、極めて複雑なもの)
などがあります。
このうち、
入院料に関しては、
言語聴覚士を含めた各種職員の配置が基準として定められており、
それらを満たした病棟のみ算定できます。
言語聴覚士が単独で算定できるものは、
主に脳血管疾患リハビリテーション料ですが、
これは1単位につき245点(施設基準による変動あり)
つまり
20分のリハビリで2450円の高報酬です!
しかも
他のリハビリテーション料が
軒並み減算されていくなか、
一度も減算されていません。
高い点数を維持するという事は、
それだけ国から重要視され続けている
という事です。
また、
言語聴覚士の専門分野である
"嚥下障害"
これに関する診療報酬は
摂食機能療法ですが、
一日一回の実施に限り185点と、
疾患別リハビリテーション料に比べると
そう高い点数ではありません。
しかし、
この摂食機能療法は、
他のリハビリテーション料と違い、
入院料に包括されません。
疾患別リハビリテーション料等は
施設によっては
入院料に包括されるため、
何回リハビリを実施しても
報酬は増えませんが、
摂食機能療法は、
リハビリをやればやるほど、
入院料+リハビリの回数分の報酬が見込めます。
このように、
言語聴覚士の専門分野に関しては、
国から「やって欲しい」という
御墨付きを得ているとも云えます。
〈まとめ〉
いかがでしたでしょうか?
最近の診療報酬改定では、
嚥下リハビリに注力している施設には
特別な加算が付いたり、
実施者として認められる職種に
言語聴覚士が追加されたりと、
言語聴覚士にとって
追い風となる状況が
継続しています。
この状況は、
最低でもあと10年は
継続するでしょう。
言語聴覚士の需要は
高い時代が続くと云えます。
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