本気で吃音を克服したいなら、○○を必ず止めるべき

こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。


吃音の当事者なら、
誰もが願う吃音の克服

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私も以前は、

「もし吃音を克服できたら、
その後の人生はどんなに楽だろう…」

等と考えていました。


今、私は
吃音の進展段階2層の状態です。

繰り返しもブロックもあり、

どもってはいますが、

苦悩はありません


"吃音を克服した"
という表現は
如何様にもとれますが、

私自身は
もう吃音に拘ることは
止めています。


そんな私が、
吃音の克服方法について書くと、

ネットや書籍でよく見かける、
成功者の体験談と
思われるかもしれません。


しかし、
私が書く克服方法は、

吃音当事者の
体験談としてではなく、

専門家として
科学的根拠に基づいた内容です


私が正規の研修で学び、

今、
病院の外来で
実際にリハビリとして提供している訓練方法です。


吃音の克服、

つまり、

吃音の苦悩から
解放されるには、

当事者自身が、
吃音者意識から
脱却しなければなりません


タイトルにある、

本気で吃音を克服したいなら、
○○を止めるべき

この○○のところに入る言葉は、

ズバリ、

工夫と回避です!


下の図は、
吃音は進展段階を表したものです。

進展段階の表.jpg

苦悩が生じるのは、
進展段階3層と4層の人です。

3層と4層の人達は、
吃音者意識にどっぷりつかり、

吃音とひたすら格闘を続ける
出口のない悪循環に陥った状態です。



吃音や発話、
自分への否定的価値観に基づき、

どもらないようにする工夫
話すことの回避を行います。

それらの行動をとる度に、
負の感情が生じます。

それが、
否定的価値観をさらに強化します。


この

否定的価値観 
 → 行動(工夫・回避)
   → 負の感情
      →否定的感情
        …

という悪循環にいる限り、

吃音の苦悩からは解放されません。


吃音の当事者が、

話し易いように一生懸命行っていた
工夫や回避といった行動は、

実際には
吃音者意識を強化し、

吃音の苦悩を強化する事に繋がっていたのです。


これが、

いくら工夫や回避で症状をコントロールしても、
吃音を克服できない理由です。


工夫や回避は、

吃音の当事者自身にとって、

実は利益になっていないのです。


したがって、

本気で吃音を克服したいと考えるなら、

工夫や回避を止める必要があります。


吃音を悪化させる要因となる行動を止め、

悪循環から降りる訳です。


そうすることで、
吃音者意識からの脱却を図ります。


もちろん、

これを言うだけなら
ただの精神論です。

実際のリハビリ訓練として行う場合は、

きっちりとした方法論があります。


私の臨床では、

年表方式のメンタルリハーサル法で、

この悪循環からの脱却を実践しています。


訓練期間が3年となる長期的なアプローチですが、

約7割の方に吃音者意識からの脱却に成功している

科学的根拠に基づく方法です。


私の場合は、

本家本元の孫弟子に当たるので、

まだまだ勉強中の身ですが、


それでも
外来に来られる方々から、

「吃音が気にならなくなった」

「最近どもらなくなった」

「意識が変わったみたいで、通院してよかった」

等と感想を言って頂けると、

苦労して外来を続けている甲斐があったと思います。



年表方式のメンタルリハーサル法について、

詳しく知りたいかたは


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