吃音は治るのか!?言語聴覚士の答え

こんにちは!

言語聴覚士(ST)の喜志です。


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私は普段は

病院で脳卒中の後遺症の患者さんに対する

言語療法を行っていますが、


外来で吃音の臨床も

行っています。


吃音は、

「たたたたたたまご」と

音を不自然に繰り返したり、


「っっっt、たまご」と

急にことばが詰まって声が出なくなったり,

これらの症状が自分の意思とは

無関係に出現する障害です。


重度の吃音では、

症状を隠そうとして

流暢に話すための工夫を駆使したり、

話すこと自体を避けたりします。


今回は、

実際に私が

吃音の当事者や親御さんから受けた

質問についてご紹介します。



『Q:吃音は治りますか?』


吃音には、

自分の意思とは無関係に出現する
中核症状と、

どもらないようにするために自分の意思で行う
二次的症状があります。


同じ音や語を不自然に繰り返したり、
ことばが詰まって喋れなくなるような

いわゆる吃りの症状は
吃音の中核症状であり、

現在の医学では
根本的な治療方法はありません

したがって
対症療法が主流であり、

全ての人が治るわけではありません

吃音が「治らない」と云われる理由は
このためです。


しかし、

二次的症状は違います。

どもる事を避け、
「またどもるかもしれない」
「どもりたくない」
という不安から起こる二次的症状は

吃音の苦悩そのものです。

本人は
吃音者意識にとらわれている状態です。


この二次的症状は
十分治る可能性があります

二次的症状が消失した吃音は
苦悩を伴わない軽いものであり、

周りからみて
いくらどもっていても、
本人は全く気になりません。



繰り返しますが、

吃音の中核症状は治るとは限りませんが、

二次的症状は治せます


おそらく
私達臨床家の間でも
意見が割れるところではありますが、

何をもって"治った"と定義するかによって
答えが変わります。


病院の訓練室で
中核症状の頻度が軽減したので
"治った"とする場合もあります。


吃音は治らないと諦めて、
どもる自分を受け入れた事が
"治った"とする場合もあります。



私の臨床では、
吃音の治療目的は

"自然で無意識な発話の再獲得"

つまり

吃音者意識から離れ、
健常者と同じように
何も考えずに話すようになる事です。


したがって、

最低でも
二次的症状が
完全に消失するまで
私は"治った"とは言いません。

二次的症状が認められる間は、
吃音の苦悩を抱えた状態だからです。


いくら訓練室で
スラスラ話せるようになっても、

本人が生活で困っていれば、

それは臨床家の自己満足でしかないと
私は思います。


もし、

吃音など、

ことばの事で何か悩みを抱えていて、

どこに相談していいかもわからない状況なら、

よろしければ

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