診療体験~吃音はなぜ悪化するのか!?!悪化と改善の理由を理解しよう~

こんにちは!

言語聴覚士(ST)の喜志です。


今回は、

病院で実際に行っている

吃音治療の体験シリーズです。


私が実際に

外来で当事者の方にお話ししている内容を

文字化したものですので、

病院で行われる吃音治療に興味のある方は

参考にしてください。


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<吃音を悪化させる要因の数々>

吃音は固定の症状ではなく、

悪化したり、

改善したり、

変動します。


悪化することを”進展”すると表現し、

重症化するにつれ、

症状がだんだん追加されていきます。


その過程を表しているのが、

”進展段階”です。


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※詳しくはこちらの記事

〇ほとんどの方が「吃音=ことばに詰まる」だと勘違いしています。

ことばに詰まる頻度が少なければ吃音は軽いと勘違いしていませんか?


吃音を進展させる要因は、

実はかなり以前から、

説明されています。




過去に受けた失敗経験から、

「吃ってはいけない」という

吃音に対する否定的価値観を

ますます強くしています。



【フラストレーション】

「健常者と同じように話したい」という

願いが達成されないことに

フラストレーションを持ちます。

自分の気持ちや考えを、

相手に分かってもらえないことに

フラストレーションが溜まります。


【不安】

どもると恥ずかしいという思い、

つまり「不安」をどんどん強くしています。



【罪】

「自分は駄目だ」という

否定的自己認識を強めていきます。



【敵意】

自分の努力や苦しみを

理解してもらえないことに、

「周囲にも問題があるんじゃないか?」

と考えます。



場面に対する恐れ

電話や自己紹介など、

吃音を理由に

話すことを避けた場面に対する

恐れを強めていきます。



【話す事への心理的圧力】

人前での発表や、

緊張する場面では

苦手意識を感じます。



【語に対する恐れ】

言おうとして止めた「語」や

「語音」に対して、

「言えない」という

恐怖感を強くしていきます。



これらはすべて、

”悪化要因”とされています。

悪化要因が増すと、

吃音は進展します。


吃音が進展するということは、

吃音による苦しみが増していく

ということ。


つまり、

悪化要因は、

当事者に

不利益をもたらす内容になります。




<吃音を改善させる要因は?>

では、

逆に吃音を改善させる要因は

ないのでしょうか?


実は、

改善させる要因も

悪化要因と同様に

古くから知られています。


専門用語では、

”流暢性の要因”として説明されます。


【士気】

自分に対する肯定的な感情、

自信をもつこと


【流暢さ】

流暢な発話の成功体験



これらの”流暢性の要因”が増加すると
吃音は改善します。

吃音の改善とは、
進展段階”を正常域に向かって
遡ることです。



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【成人吃音の診療体験シリーズ一覧】

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〇薬と同じでコツコツ続けてこそ効果が表れます!

〇まず自分が陥っている現状を整理しましょう。

〇皮肉なことですが、これまでやってきた努力が実現した結果です。

〇まず自分の行動を変えて、進展段階を遡りましょう!

〇価値観と事実は違います。それを確認してみましょう。

〇最終目標は健常者と同じ状態に”戻る”ことです。

〇最初は”だまされた”と思って続けてみてください!

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