診療体験~訓練だけではダメ!日常生活で実践することを理解しよう~

こんにちは!

言語聴覚士(ST)の喜志です。


今回は、

病院で実際に行っている

吃音治療の体験シリーズです。


私が実際に

外来で当事者の方にお話ししている内容を

文字化したものですので、

病院で行われる吃音治療に興味のある方は

参考にしてください。


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まずは基本をおさらいしましょう!


吃音の症状には、

音や語の”繰り返し”

音や語の”引き伸ばし”

ことばが詰まる”ブロック”

ブロックを隠そうとする”工夫”

話す事や場面を避ける”回避”

があります。


※詳しくはこちらの記事

〇ほとんどの方が「吃音=ことばに詰まる」だと勘違いしています。


吃音の重症度は

”進展段階”で表されます。


”悪化要因”が増すと

第4層へ向かって進展し、

”流暢性の要因”が増すと

正常域へ向かって遡ります。


※詳しくはこちらの記事

ことばに詰まる頻度が少なければ吃音は軽いと勘違いしていませんか?

自然に悪化はしていません。吃音を悪化させる要因を知っていますか?


<嫌な感情から離れる方法>

回避を行っている

進展段階第4層の吃音者は、

過去に失敗した場面や、

どもって嫌な思いが結びついた出来事が、

日常的にふっと頭の中に浮かんできて、

嫌な思いにとらわれてしまうことが

多くあります。


たとえば、

3分ほど嫌な思いが浮かんでくることが、

一日10回ある人の場合だと、

一日のうち、合計30分は

「嫌だ嫌だ」と思い続け、

吃音に悩んでいることになります。


この辛さに

何年も耐えなければならないことは

大変なことです。


また、

悩み続ける行動が

吃音を悪化させる要因の一つでもあります。


したがって、

このような

否定的感情に繰り返し浸ることを

防止する必要があります。



日常生活で嫌な場面が

思い浮かんできたら、

すぐに嫌でも嬉しくもない情景に

頭の中のイメージを切り替えます。



これは、

いわゆるプラス思考に変えることでは

ありません。


嫌な感情が浮かぶ時は、

頭の中で嫌な場面がイメージされています。

それを

何とも思わない情景イメージに返ると

感情はフラットな状態に戻ります。


嫌な感情を出さないようにするのではなく、

嫌な感情から離れます。


また、

第4層の吃音の人は、

物事の否定的な側面に

注意を向けることに

慣れてしまっています。


吃音の改善のためには、

この「駄目な面に注目してしまう行動」から

習慣的に「良い面に注意が向く行動」に

変えていく必要があります。


ただし、

これはあくまでオプション的なもので、

訓練を実施する上で

必須ではありません。


まず重要なことは、

普段の日常生活で、

嫌な感情から離れる習慣をつける

ことです。 



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【成人吃音の診療体験シリーズ一覧】

〇ほとんどの方が「吃音=ことばに詰まる」だと勘違いしています。

ことばに詰まる頻度が少なければ吃音は軽いと勘違いしていませんか?

〇進展段階を知っていると、吃音の実態がよくわかります。

自然に悪化はしていません。吃音を悪化させる要因を知っていますか?

吃音は”ビーカーの中に入った水”です!?

吃音の人は頭の中の行動から”すでにどもっています”

健常者と吃音の人の発話行動はこれだけ違う!?

「コミュニケーション=声に出して話すこと」と思っていませんか?

〇自分が本当に望む目標に見合った訓練方法を選択しましょう!

〇私が病院で行っている訓練方法について解説します!

〇日常生活を送りながら、健常者と同じ発話行動の経験値を増やします!

RASSによる間接法は二段構えのアプローチです!

〇薬と同じでコツコツ続けてこそ効果が表れます!

〇まず自分が陥っている現状を整理しましょう。

〇皮肉なことですが、これまでやってきた努力が実現した結果です。

〇まず自分の行動を変えて、進展段階を遡りましょう!

〇価値観と事実は違います。それを確認してみましょう。

〇最終目標は健常者と同じ状態に”戻る”ことです。

〇最初は”だまされた”と思って続けてみてください!

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