診療体験~「他人が自分を低く見ているに違いない」は本当か?
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
今回は、
病院で実際に行っている
吃音治療の体験シリーズです。
私が実際に
外来で当事者の方にお話ししている内容を
文字化したものですので、
病院で行われる吃音治療に興味のある方は
参考にしてください。
<他人は吃音なんか気にしていない>
吃音歴の長い当事者の方の中には、
「他人が自分を低く見ているに違いない」
「駄目な話し方をするヤツだと思っているに違いない」
と強く思い込んでいる場合があります。
吃音歴が長いほど、
悪循環によって生じる
吃音への否定的価値観が強化され続け、
まるで信念のように
吃音観が固まってしまっています。
私達臨床家の姿勢がブレると
ちゃんとした訓練が成り立たなくなってしまいます。
このような場合、
小さい問題から対応します。
「他人は自分が思っているほど、
自分の吃音症状を拒否していない」
ということを
自らの行動を通して
確認してもらいます。
具体的な方法の一つに、
自分の吃音のカミングアウト(告白)があります。
カミングアウトは、
大々的に「自分が吃音であること」を
伝える方法もありますが、
覚悟を決めて告白するよりも、
何気なく話す方がうまくいきます。
朝礼や面接の場面で時間を確保して
告白するより、
雑談レベルで告白した方が
気持ちは楽だし、
相手の反応を実感できました。
試しに、
普段の雑談で、
ちょっとどもった時に、
冗談めいた軽い感じで
「かんじゃった」等と言ってみて下さい。
その時に、
相手の反応を確認してください。
自分が思い込んでいた反応とは異なり、
相手は自分の喋り方を気にしていないことに気づきます。
このように、
少しずつ行動を通して
確認をしていきます。
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