子どもの自信を育てる!「治るのを待つ」の本当の意味
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
この記事は、
「小児の吃音」について、
私が実際に
病院の外来で当事者の方にお話ししている内容を
ご紹介したものです。
子どもの吃音について医師に相談したら、
多くの場合は、
「自然に治ります」
「様子を見ましょう」
などと言われて終了となります。
これは、
「何もせずに様子を見る」ということではなく、
「吃音が自然治癒し易い環境を整えて
改善を待つ」
という事です。
私の臨床では、
「自然で無意識発話への遡及的アプローチ(RASS)」
の考え方に基づいて、
環境調整法を実施しています。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
子どもの吃音を相談して「自然に治る」「様子を見よう」と言われたけど心配な方へ
<子どもに関わる2つの環境を調整する>
園や学校も含めて行うのが理想ですが、
中心となるのは
やはり家庭環境です。
特に、
母親(あるいはそれに該当する役割を担う方)との関係が主体となります。
また、
環境調整法でいう”環境”とは
大きく分けて
「言語環境」と
「養育環境」の
2つになります。
この2つの両方で環境調整を行う必要があります。
片方だけでは効果を発揮しません。
お箸が一本では役立たないのと同じ感じです。
環境を調整すること自体は、
目的ではなく手段です。
目的は、
子どもが圧力を感じることなく、
制限もされずに、
自由に感情や意思を
表に出せるようになることです。
ここでいう
“圧力”や
“制限”とは、
こどもの要因や感受性との
バランスで決まります。
親御さんにはそのつもりがなくても、
その子にとっては
圧力や制限になっている場合があります。
まず、
そうした圧力や制限を取り除いて、
本人が自由に感情や意思を出せる状況を作ります。
すると、
次第に本人のペースで
自分の感情や意思を表に出せるようになってきます。
親の方では、
そうして子どもが表に出してきた感情や意思を
原則全て受け入れてやります。
感情や意思を出して
受けれられることがわかると、
今度は自発的に
発話や行動で
感情や意思を出せるようになります。
こうなった時の話し方は、
自然で無意識な話し方です。
吃音の症状は減り、
なめらかに話せる場面が多くなってきます。
干渉を受けない環境で、
自然な流暢性の高い話し方を
多く経験することが大事です。
自発的な行動や話し方が受け入れられると、
満足感や成功体験が積み重なり、
自信がつきます。
それが良い循環を生み、
吃音が改善に向かいます。
環境を整え、
吃音が徐々に治っていくのを待つのが
環境調整法です。
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