子どもの吃音はどう変化する?環境調整法で生じる変化について
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
この記事は、
「小児の吃音」について、
私が実際に
病院の外来で当事者の方にお話ししている内容を
ご紹介した記事になります。
私の臨床では、
「自然で無意識発話への遡及的アプローチ(RASS)」
の考え方に基づいて、
環境調整法を実施しています。
この方法は、
子どもを取り巻く環境を、
「吃音が悪化しにくく、治り易い環境」に整えて、
吃音が徐々に治っていくのを待つ
という方法です。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください! ↓↓↓
本来の環境調整法は、
専門の臨床家の指導のもとで行う事が理想です。
今回は、
環境調整法で子どもに生じる変化について
解説しましょう!
<環境調整の期間は年単位>
環境調整法のみで
吃音が治る確率は、
およそ5割と言われています。
吃音が治る場合であっても
年単位での時間が必要です。
今日やったから明日良くなるとか
半年で治るということではありません。
<変化は小さな事から生じる>
環境調整を開始すると
行動、感情の面で
細かな変化が
本人にも親御さんにも生じます。
それは、
子どもがいつもより少し甘えてくるとか、
普段は子どもの一挙一動にあんなにイライラしていたのに、
あまり気にならなくなったとか…
環境調整法は
このような毎日の細かな変化の積み重ねです。
ある日突然、
良い方に変わるということはありません。
<吃音の状態は”地図”で確認>
吃音の重症度は
”進展段階”で表されます。
”悪化要因”が増すと
第4層へ向かって進展し、
”流暢性の要因”が増すと
正常域へ向かって遡ります。
※詳しくはこちらの記事
進展段階の図は
”地図”のように使います。
「今はどこにいるか」
「以前はどこに居たのか」
「今はどこに向かっているのか」
このようなことを
進展段階の”地図”で
確認していきます。
環境調整法では、
吃音が正常域に向かう事を促し、
同時に、
第4層に向かって今以上に進展する事を
防止します。
ゴールは一番上の”正常域”であり、
現在地より上に向かって進めていきます。
現在地は常に”地図”で確認しましょう。
子どもが現在
進展段階の”地図”のどこに位置するかは、
症状の種類からわかります。
たとえば、
「音の繰り返しや引き伸ばし」
のみが出ていれば、
現在地は第1層です。
スラスラ話すテクニックを使うようになると
それは「工夫」という重い症状であり、
第3層に悪化した
と判断します。
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