症状が出なくなっても油断は禁物!?吃音の逆戻り要注意期間とは
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
この記事は、
「小児の吃音」について、
私が実際に
病院の外来で当事者の方にお話ししている内容を
ご紹介した記事になります。
私の臨床では、
「自然で無意識発話への遡及的アプローチ(RASS)」
の考え方に基づいて、
環境調整法を実施しています。
この方法は、
子どもを取り巻く環境を、
「吃音が悪化しにくく、治り易い環境」に整えて、
吃音が徐々に治っていくのを待つ
という方法です。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください! ↓↓↓
環境調整による子どもの変化は、
数週間から数か月に及びます。
短期間ですぐに効果が表れることはありません。
吃音が治る場合でも、
年単位で環境調整を続ける必要があります。
調整された環境下では、
自発的な行動や話し方が受け入れられると、
満足感や成功体験が積み重なり、
自信がつきます。
それが良い循環を生み、
吃音が改善に向かいます。
吃音の症状は減り、
なめらかに話せる場面が多くなってきます。
<症状が出なくなってからも1年間は環境調整を続ける>
環境調整をいつ終えるのか?
についてですが、
これも明確な基準があります。
ずばり、
「症状が出なくなってから1年後」
で終了時期です。
吃音では、
症状が出なくなってから1年間は
逆戻り要注意期間とされています。
この1年間は、
吃音が再度ぶり返しやすい期間です。
この期間を過ぎて
初めて「治った」と言えます。
逆戻りしないように
この1年間も
環境調整を続ける必要があります。
ちなみに、
「いつから逆戻り要注意期間に入ったか?」
についてですが、
症状が出なくなってから
3~4ヶ月過ぎた時点で判断します。
その年の1月頃から
吃音の症状が出なくなり、
4,5月になっても
まったく症状が出ない状態が続くなら、
「逆戻り要注意期間に入った」
ということです。
逆戻り要注意期間を過ぎたら
環境調整は終わりです。
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