原因は発達障害?脳梗塞?それとも親のせい?吃音の種類ごとに解説

こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。


このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。


今回は、
吃音の原因について
お話します。


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外来では、
たまに吃音の当事者の方が、
「生まれた時から吃音でした」
とおっしゃります。


が、


はっきり言って

有り得ません!


吃音にはいくつかサブタイプがありますが、
どの吃音も、
後天的なものです。


生まれた瞬間、
「おおおおおぎゃー」と
産声からどもる赤ちゃんはいません!


では、

何故吃音になるのでしょうか?

原因については
未だにはっきりしませんが、
医学的にわかっていることもあります。

吃音のサブタイプごとに
みていきましょう。




<発達性吃音は原因不明>

発達性吃音は
いわゆる
”the 吃音”
です。

根本的な原因は
いまだ不明で、
幼少期に発吃することが
多いとされています。

小児では20人に1人、

成人では100人に1人、

これぐらいの割合で存在します。


発達性の吃音は
最初は正常な状態だったものの
何らかのきっかけで、
「音や語の繰り返し」や
「引き伸ばし」が
出現し、
吃音が始まります。


※詳しくはこちらの記事 ↓↓


俗説では、

「親のせい」

とか

「発達に問題がある」

とか

色々言われていますが、
全て根拠がありません。


少なくとも
「親の教育」や
「子どもへの接し方」
の問題だけでは、
吃音にはなりません。





<神経原性吃音は脳卒中の後遺症>

発達性吃音以外の吃音は、
「獲得性吃音」というカテゴリーに
分類されます。

そこからさらに、
「神経原性吃音」と
「心因性吃音」に
分かれます。

「神経原性吃音」とは、
名前は難しい響きですが、

要するに、

脳卒中の後遺症です。


脳卒中を患うと、
その後遺症として、
「失語症」や
「構音障害」など
言語に問題が生じる場合が
あります。

その内の一つに、
吃音がある
ということです。


しかし、
この「神経原性吃音」。

当の本人は、
ほぼ気付きません。

というより、

麻痺など他の後遺症が
酷いので、
大した問題にならない
といった方が適当です。


したがって、
「神経原性吃音」の
リハビリを行うことは、
まずありません。





<心因性吃音は精神面の二次症状>

「獲得性吃音」のもう一方、

「心因性吃音」は、

その名の通り、
何らかの精神的な問題を抱えている患者が、
吃音を患うことです。

吃音はあくまで
表面上の減少であり、

根本的な問題は他にあります


ある症例では、

小学生の子どもが
吃音の治療を希望して
親に連れられて受診しましたが、

実はその子は、
家庭内で親から虐待を受けていることが
わかり、

親からの虐待が解決すると、
吃音は消失したそうです。


吃音の中でも
「心因性吃音」は
あまり出会わない症例ですが、

臨床家が問題を見落としがちな
ケースです。






<まとめ>

いかがでしたでしょうか?

吃音の種類ごとに
考えられる原因はさまざまですが、

吃音に悩んでいる人ほど、

「自分は生まれた時から吃音だ」と、

まるで信念のように
考えている方が多いように
思えます。


これは、

いわゆる
”吃音者意識”
に囚われている状態です。


いくら理屈で説明されても、
小手先のテクニックを駆使しても、
”吃音者意識”を持ち続ける限り、
吃音の苦悩からは解放されません。

それこそ、
信念のように
「吃音に苦しむ自分」こそ
自分の存在価値のように
考える人もいます。

病院で行う吃音の治療とは、

この”吃音者意識”からの脱却です。



詳しくは、
私達STへご相談ください。






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