リハビリで治らない患者の4つの特徴
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
今回は、
リハビリで治らない
要するに、
効果が得づらい患者の特徴を
4つご紹介します。

私達STは、
首から上のリハビリは
ほぼ全て請負ます。
言語障害、
嚥下障害、
スピーチの障害、
聞こえの障害、
認知障害、
等々…
ほぼ全ての分野に共通して言えることは、
「体調が安定しない」
「本人に治る気力がない」
「こだわりが強い」
「病院に長く入院したがる」
この4つの条件に当てはまる患者は、
リハビリの治療効果が得辛い、
ということです。
<条件①体調が安定しない>
当然ですが、
体調が悪ければリハビリができません。
特に、
リハビリテーション科の医師がいない
多くの病院では、
主治医は
余計なリスクを負いたくないので、
少しでも体調に懸念があれば
すぐにリハビリ中止指示を出します。
一日寝たきり状態にあるだけでも
大幅に機能が低下する人もいます。
この辺りは
アスリートと同じです。
1日練習をしなかったら、
元に戻すのに3日かかる
と言われています。
リハビリで
十分な治療効果を得るためには、
毎日コツコツ
継続的なリハビリが必要です。
<条件②本人に治る気力がない>
これも当然と言えば当然の理由です。
高齢の方に多いですが、
年齢を理由に
「そんなに頑張れない」
「もう歳だし治らなくてもいい」
と主張される方もいます。
このような方は、
当然リハビリの頻度や内容が
最大値に届きにくくなります。
私達STは、
あくまで回復を手助けするスタッフであって、
実際に治るのは
患者自身です。
病気を患った後も
人生は続きます。
どんな状況に置かれても、
私達人間は生きていかなければ
ならないのです。
その事を
中々受け入れられない方は
実際多くいらっしゃいます。
<条件③こだわりが強い>
実際に臨床で仕事をしていて、
一番やり辛いと感じるのは、
このタイプの患者さんです。
年配の男性に多い傾向がありますが、
障害の問題点や
治療方針に
セラピストとは相容れない
独自の考え方があります。
極端な例が、
「吃音は根性で治る」
みたいな根性論を
押し通す人です。
私達STは、
なるべく科学的根拠に基づく
対応を検討しますが、
患者本人の価値観に合わない場合も
あります。
そういう時、
患者本人が
私達が提案したプログラムを
否定します。
プライドが邪魔する場合もあるでしょう。
ほとんどの場合、
リハビリを担当するセラピストは、
患者よりずっと年下です。
柔軟性に欠ける患者は
やはり積極的な介入ができません。
リハビリの治療効果は
乏しくなってしまいます。
<条件④病院に長く入院したがる>
意外かもしれませんが、
長期間病院でリハビリを受け続ける人も
治療効果が得辛い場合が
あります。
あくまで
ケースバイケースですが、
リハビリは
病院生活で一定のレベルに達すると
次の段階として
生活の場に戻らなければなりません。
スポーツ選手が、
基礎練習ばかり続けるのではなく、
実際に試合に出ないと
上手くならない事と
同じです。
病院という
整った環境では、
生活していくには
ハードルが低いのです。
家での生活の方が
ずっと難しいので、
少しずつでも慣らしていかなければ
なりません。
にもかかわらず、
「病院にいると安心だから」
「もっと良くなってから退院したい」
と主張される患者は、
やはりリハビリの治療効果が
だんだんと頭打ちになってきます。
一概には言えませんが、
セラピストから退院を勧められたら、
リハビリが次のステップに進むと思い、
積極的に退院後の生活を
シミュレーションした方が
結果的に回復が早いでしょう。
<まとめ>
いかがでしたでしょうか?
どのような状況に陥っても
人間には環境に適応する能力が
あります。
リハビリの治療効果とは、
環境に適応する能力を
最大限引き出すことです。
病状は、
個人の努力でコントロールするには
限界がありますが、
日々の生活には、
柔軟性をもって
接する事が
大切だと思います。
リハビリのことで
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