吃音の子を持つ親が我慢しなくてはならない事とは?言語聴覚士が教える吃音の話
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
今回は、
子どもの吃音について
お話します。
私の臨床では、
「自然で無意識な発話への遡及的アプローチ(RASS)」
の考え方に基づいて、
吃音の訓練を行っています。
※詳しくはこちらの記事↓↓
小学生以下の子どもの
吃音に対しては、
環境調整法で
対応します。
この方法は、
子どもを取り巻く環境を
「吃音が悪化しにくく、
治り易い環境」に
整えて、
吃音が徐々に治っていくのを待つ
という方法です。
※詳しくはこちらの記事↓↓
今回は、
実際の臨床で
子どもの親御さんから
頂いた質問と
その回答について
ご紹介します。
<Q:吃音の治療では、親はいつまで我慢しなければならないのですか?>
A:環境調整をしている間のみ。
環境調整では、
今まで親が当たり前のように行ってきた
行動の多くが
禁止されます。
それにより
週単位で
親の側にも変化が生じます。
環境調整の開始時期に辛いのは
子供でなく親です。
※詳しくはこちらの記事↓↓
しかし、
親が我慢しなければならないのは、
環境調整をしている間だけです。
環境調整開始から数ヶ月間は、
かつて無意識の内に行っていた
子供への禁止や指示を、
親は理性で押さえるのですから
辛いと思います。
しかし
子供が良い方向に変化してくるのを
見ているうちに、
少しずつ辛さが減ってきます。
多くの親は
子供に対する環境調整をしていく間に、
親が自身を縛りつけていた
”○○であらねばならない”
という規範が和らぎます。
そして
「自分も楽になった」
とおっしゃる親御さんも
多くいらっしゃいます。
おそらく、
その頃には”我慢”ではなくなり、
親にとってもその状態が
自然なものになります。
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