当事者を苦しめる吃音者意識とは何なのか?言語聴覚士が教える吃音の話
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
今回は、
吃音の訓練方法について
お話します。
私の臨床では、
「自然で無意識な発話への遡及的アプローチ(RASS)」
の考え方に基づいて、
吃音の訓練を行っています。
※詳しくはこちらの記事↓↓
成人の吃音に対しては、
年表方式のメンタルリハーサル法で
対応します。
この方法は、
吃音の症状をコントロールするのではなく、
自然で無意識な発話の経験を積み、
吃音者意識からの脱却を
目指す方法です。
※詳しくはこちらの記事↓↓
今回は、
実際の臨床で
当事者の方から
頂いた質問と
その回答について
ご紹介します。
<Q:吃音者意識とは何ですか?>
A:吃音で悩んでいるという意識のこと
RASSで実施する訓練は
「吃音者意識からの脱却」
という目標を掲げています。
吃音者意識とは、
「自分は吃音によって
話し方に問題を抱えている者で、
悩んでいる」
という意識のことです。
悩んでいる自分を
意識している程度が
強ければ強いほど
吃音者意識が強い
といえます。
吃音者意識は
吃音者特有の発話行動を行う
原因となります。
これは、
吃音や
話す事自体、
自分自身への
否定的価値観です。
ちなみに、
「自分には吃音がある」
という自覚と
吃音に対する否定的な価値観とは
本来別物です。
軽症の吃音の当事者には
自分の吃音を自覚していますが、
それを否定的な価値観では
捉えていません。
現在の私も、
自分の吃音の症状は
自覚していますが、
悩んではいませんので、
吃音者意識はもっていない
状態にあります。
自分の吃音を自覚し、
それを
「問題である」
「悩んでいる」
と意識し続けることが
「吃音者意識」であり、
当事者を悩ませる
原因となっています。
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