これって吃音!?「緊張すると誰だってどもる」は本当か?
こんにちは!
言語聴覚士(ST)の喜志です。
このブログは、
「ことばの不自由さに困っている方」へ
「ことばの問題の専門家であるST」が
言語療法の情報をお届けする事を
目的としています。
今回は、
吃音ではない方に、
吃音のことを少しでも知って頂きたい内容をお届けします。
吃音のある方は、
健常の人に吃音のことを相談した時、
「誰だって緊張した時にはどもるよ」
と言われたことがあると思います。
だいたいの場合、
相手は励ましのつもりで発したセリフであることが多いのですが、
吃音をお持ちの方なら、
この言葉に少なからず落ち込んだ経験のある方もおられるでしょう。
この「緊張すると誰だってどもる」という説は、
果たして本当なのでしょうか?
一般的に、
吃音=ことばを繰り返す、言葉が詰まる
と認知される傾向が強いため、
「緊張するとどもる」とは「緊張すると言葉が詰まる」と言い換えれるかもしれません。
要するに、
”発話がたどたどしくなる”
”噛み易くなる”
といった表現が近いかもしれません。
しかし、
私達吃音で苦しんだ経験のある人間は、
緊張するからどもるのではありません。
どもるから緊張するのです!
この”どもる”という現象に対する
”恐怖”や”不安”などの否定的な価値観が、
吃音者を苦しめています。
一般的にいう”噛む””詰まる”という現象と
吃音の症状とは何が違うのか…
調べてみたのですが、
これといった文献は見つかりませんでした。
吃音自体、まだよくわからない事が多いので、
致し方ないのかもしれません。
健常の人の「緊張するとどもる」という現象と、
吃音者の「どもる」という症状、
見た目の症状はどちらも似ていますが、
当事者の受け止め方には明らかな差があります。
吃音者にとって、「どもる」ことは
”恥”であり、
”罪”であり、
”苦悩”です。
自分が過去に味わったトラウマの象徴とも言えます。
これは個人の価値観であり、
他人の価値観では測れません。
「緊張すると誰だってどもる」という言い方は、
相手も自分と同じ価値観である時に限って
成立します。
つまり、健常者同士ならば正しいと言えるでしょう。
しかし、健常者と吃音者とでは、
そもそも”話す”ことに対する価値観が異なる可能性があります。
その場合には、
「緊張すると誰だってどもる」という言い方は、
相手への価値観の押し付けとなってしまいます。
たかがどもり、
されどどもりなのです。
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